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公立大学法人 山陽小野田市立 山口東京理科大学 工学部 応用化学科 池上研究室

研究内容

(1) 水素製造を可能にするカーボンナノチューブ(CNT)光触媒の高機能化に関する研究

再生可能エネルギーの一つである水素は化石燃料に代わる次世代エネルギーとして注目されています。当研究グループは、岡山大学高口准教授のグループおよび山口大学三宅助教のグループとの共同で水素製造を可能にするCNT系水分解光触媒の開発に取り組んでいます。CNT光触媒は下図に示すようにCNT, C60とデンドリマーとの複合化合物であるフラロデンドロン,Pt(II)錯体からなる「ナノ構造体」です。本研究室では、助触媒として使用している高価なPt(II)系錯体を代替することのできる汎用金属系助触媒を開発し、水素生成効率の向上を目指しています。

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(2) 硫化物系光触媒、CNTなどを用いた可視光応答性Z-スキーム型光触媒の開発

水素発生光触媒、酸素発生光触媒および電子メディエーターを組み合わせた人工光合成システムであるZ-スキーム型光触媒が、水の完全分解による水素製造用光触媒として有望視されています。当研究グループで見いだした可視光照射下で高効率に水素発生可能な硫化物系光触媒を用いたZ-スキーム型光触媒を開発するとともに、デンドリマーで化学修飾したCNTを電子メディエーターとする新規Z-スキーム型光触媒の構築に取り組んでいます。特に後者の光触媒系では、下図に示すようにRhドープSrTiO3およびBiVO4との組み合わせにより、可視光照射下で水素と酸素が量論的に発生することに成功しています。

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(3) 吸着材-光触媒複合体による二酸化炭素固定化技術の開発

地球温暖化対策として二酸化炭素の固定化技術が注目されています。二酸化炭素を常温付近で効率的に回収することのできる吸着材を開発し、吸着回収した二酸化炭素を単に貯蔵するだけでなく、ナノ粒子の光触媒作用により有用な炭化水素に還元して資源化するシステムの構築を目指しています。具体的には、K, Fe, Alなどの資源リスクの少ない元素からなる複合酸化物を、高分子系テンプレートを用いて多孔化して高表面積吸着材を開発しています。その多孔質吸着材上に各種手法を用いて合成したTi酸化物系光触媒ナノ粒子を固定化することにより吸着材-光触媒複合体を構築し、二酸化炭素の吸着-化学変換サイクルによる二酸化炭素固定化プロセスの実現を目指しています。

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(4) 多孔性固体塩基触媒を用いたバイオ液体燃料製造

触媒の分離、回収、再利用が容易である無機系固体触媒に着目し、製造過程における環境負荷を低減できるバイオ液体燃料製造プロセスの構築を目指します。バイオ液体燃料製造では、塩基触媒が有効であることから、各種の固体塩基物質を合成し、反応速度向上を目的として多孔構造を付与した固体塩基触媒を開発しています。

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(5) 大型放射光施設を用いた触媒表面の局所構造解析

基礎研究としては、触媒の活性点構造を解明する研究を行います。つくばの高エネルギー加速器研究機構(KEK)や播磨のSPring-8などの大型放射光施設において測定可能なX線吸収微細構造(XAFS)や、赤外分光(FT-IR)、電子スピン共鳴(ESR)、紫外可視分光などの各種分光学的手法を用いて、高活性な触媒設計に必要な種々の因子の解明を検討しています。特にXAFSは、活性点の局所構造を詳細に解析することができるため、様々な知見を得ています。

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